日本では高齢化が進み、一人暮らしの高齢者が急速に増えています。
「子どもがいない」
「親族と疎遠になっている」
「自分が亡くなった後のことが心配」
このような相談を受ける機会が、司法書士事務所でも年々増えています。
令和8年(2026年)には、身寄りのない高齢者への支援を拡充する改正社会福祉法が成立しました。
今回は、この法改正と相続登記との関係について分かりやすく解説します。
改正社会福祉法で何が変わる?
改正社会福祉法では、身寄りのない高齢者への支援が大きく拡充されます。
社会福祉協議会などが、
- 入院手続き
- 医療費の支払い代行
- 書類の預かり
- 日常の金銭管理
- 葬儀・納骨手続き
- 家財処分の契約手続き
などを支援できる仕組みが整備されます。
これまでケアマネジャーなどが負担していた業務を、公的な制度として支えることが目的です。
ただし「相続手続き」までは代行できません
ここで誤解されやすい点があります。
社会福祉協議会等が支援できるようになっても、
相続登記や遺産分割などの法律手続きを自由に行えるわけではありません。
例えば、
- 不動産の名義変更(相続登記)
- 相続人調査
- 戸籍収集
- 遺産分割協議書の作成
- 法務局への申請
これらは司法書士などの専門家が担当する分野です。
相続登記は義務になっています
令和6年4月から、
相続登記は義務化されました。
相続で不動産を取得したことを知った日から
3年以内
に相続登記を申請しなければならず、正当な理由なく放置すると過料の対象となる場合があります。
「親の家だからそのままでいい」
「空き家だから急がなくても大丈夫」
このように考えていると、後になって相続人が増え、手続きが非常に複雑になるケースも少なくありません。
身寄りがない方ほど「遺言書」が重要です
おひとりさまの場合、
亡くなった後の財産は法律で定められた相続人へ引き継がれます。
しかし、
- 相続人と何十年も会っていない
- 相続人が誰かわからない
- お世話になった人へ財産を残したい
という希望がある場合には、
遺言書を作成しておくことが大切です。
特に公正証書遺言は紛失や改ざんの心配が少なく、安心して利用できます。
家族信託や成年後見制度も選択肢
将来、認知症などで判断能力が低下すると、
預金が凍結されたり、不動産の売却が難しくなったりすることがあります。
状況に応じて、
- 家族信託
- 任意後見契約
- 成年後見制度
などを利用することで、将来に備えることができます。
どの制度が適しているかは、ご本人の状況や家族構成によって異なります。
司法書士に相談するメリット
司法書士は、
- 相続登記
- 遺言書作成支援
- 成年後見
- 家族信託
- 相続人調査
- 戸籍収集
- 法務局への申請
など、不動産や相続に関する法律手続きを数多く取り扱っています。
「何から始めればよいかわからない」という段階からでもご相談いただけます。
まとめ
身寄りのない高齢者への支援制度は今後さらに充実していきます。
しかし、相続登記や不動産の名義変更、遺言書の作成などは、ご本人が元気なうちに準備しておくことが何より重要です。
相続が発生してから慌てるのではなく、早めの対策がご自身やご家族の安心につながります。
相続登記や終活、遺言書、家族信託などでお悩みの方は、お気軽に当事務所までご相談ください。
